Web Technology — 全体像編

Web技術 座学ノート

「自分のサイトは何でできていて、どう動いているのか」を、エンジニア知識ゼロから。全部、羽子田さんの実物(browna-ent-site / bramley-site)に紐づけて説明します。

第0章〜第9章(全体像をサッと1周)/ 実物:屋号サイト・ブラムリィHP

全体マップ ― あなたのサイトは「料理屋」でできている

技術用語はあとで一つずつ覚えれば十分。まず、全部品の置き場所を1枚の地図にします。あなたのサイトは料理屋に例えると丸ごと理解できます。

料理屋でいうと技術の名前役割
食材HTML / CSS / JavaScriptページそのものを作る3つの材料
調理場Astro食材を組み立てて「出せる料理(ページ)」に仕上げる場所
日替わりメニューの黒板microCMS京佑さんが中身(News・記事)を書き換える場所
冷蔵庫・保管庫Git / GitHub作ったもの全部を履歴つきで保管する場所
店舗(客に出す場所)Cloudflare完成したサイトを世界中に配信する場所
店の住所ドメイン / DNSbrowna-entertainment.com という名前と、その案内
厨房の作業台ターミナル / CLI命令を打ち込む黒い画面(Claudeが代わりに打つ)

この地図の各マスを、これから1章ずつ見ていきます。順番には意味があります──材料(1)→ 調理場(3)→ 黒板(4)→ 保管庫(5)→ 店舗(6)→ それらが自動で繋がる配管(7)、という流れです。

あなたの現状

この料理屋はもう営業しています。屋号サイトとブラムリィHP、2軒が実際に世界に公開済み。つまり全部品はもう手元で動いている。この座学は「新しく建てる」話ではなく、すでに動いている自分の店の中身を知る話です。

今日の持ち帰り

Webサイト=「材料・調理場・黒板・保管庫・店舗・住所」の組み合わせ。バラバラの技術用語は、この料理屋の地図のどこかに必ず居場所がある。

第1章

HTML・CSS・JavaScript ― ページの材料3つ

どんなWebページも、煎じ詰めればこの3つの材料でできています。役割がきれいに分かれています。

材料役割家でいうと
HTML構造・骨組み(見出し/文章/画像/リンクが「ここにある」)柱と間取り
CSS見た目・装飾(色・フォント・余白・配置)内装・塗装
JavaScript動き・振る舞い(クリックで開く・スクロールで動く)電気・自動ドア

HTMLだけでもページは成立します(味気ない文書)。そこにCSSで世界観を着せ、必要な所だけJavaScriptで動かす。順番もこの通り──骨組みが先、化粧が後、仕掛けは最小限。

あなたのコードでいうと

ブラムリィの起動アニメ(初回だけ動く演出)=JavaScript。EB Garamond/Zen Old Minchoのフォント指定や緑の色=CSS。「Hero→About→Rooms…」という並び=HTMLの構造。前回「Cafeページの演出がひどい」と感じたのは、ほぼJavaScript(動き)の出しすぎが原因です。

持ち帰り

HTML=骨組み、CSS=見た目、JS=動き。迷ったら「骨→化粧→仕掛け」の順。動きは盛るほど壊れやすい。

第2章

静的 vs 動的 ― なぜあなたのサイトは安く・速く・壊れにくいのか

Webサイトには2方式あります。この違いが、あなたの事業の「ランニング≒ドメイン代だけ」を生んでいます。

静的サイト(あなたの方式)動的サイト
作り方完成済みのHTMLを前もって用意し、そのまま見せる客が開くたびにサーバーがその場で組み立てる
例えると作り置きの弁当を棚に並べる注文ごとに厨房で一から作る
速さ速い(出すだけ)遅くなりがち(毎回調理)
費用ほぼ無料(計算しない)サーバー代が継続でかかる
壊れやすさ・安全壊れにくい・乗っ取られにくいサーバーやDBが攻撃・故障の的になる

あなたのサイトは全部静的。だから世界中に配っても費用がほぼ増えず、表示が速く、放っておいても壊れにくい。これは「地方の事業者を保守ごと預かる」事業で致命的に重要です。動的(WordPress等)を受けると、保守が地獄化する——という判断は、この章の理屈そのものです。

ここが事業の分かれ目

「軽い静的の型を貫く」=保守が回る。「重い動的を受ける」=保守が破綻。20〜30社を二人で抱える計画は、全社が静的であることが前提条件です。

持ち帰り

あなたは「作り置き弁当(静的)」方式。速い・安い・壊れにくい。これを全客で貫くことが量産と保守の生命線。

第3章

Astro ― 部品で組み立てる「金型」の正体

Astro(アストロ)は調理場です。正式には「静的サイトジェネレータ」=材料から完成HTMLを前もって焼き上げる道具。ポイントは2つ。

① 部品化(コンポーネント)

ナビ・フッター・見出しなどを「部品」として1回作り、全ページで使い回す。ナビを直したいとき、部品を1つ直せば全ページに反映される。

あなたの2サイトの差はここ

ブラムリィ(bramley-site)は Nav.astro Footer.astro など部品に分かれた良い作り。一方、屋号サイト(browna-ent-site)は古い作りで、ナビが6ページにコピーされている=直すのに6回触る。「金型を1つ持って世界観だけ着せ替える」のが、これからの量産の核です。

② 必要な所しか動かさない(軽い)

Astroは基本、余計なJavaScriptを客に送りません。だから速い。動きが要る所だけ足す思想で、第1章の「仕掛けは最小限」と一致します。

持ち帰り

Astro=部品を組んでHTMLを焼く調理場。部品化=「金型1つ+着せ替え」。これが量産と保守を両方ラクにする。

第4章

microCMS ― 「中身」と「見た目」を分ける

microCMS(マイクロシーエムエス・日本製)は日替わりメニューの黒板。京佑さんがブラウザの管理画面から、コードを触らずに中身(News・記事)を書き換えられる場所です。

「ヘッドレスCMS」と呼ばれます。ヘッド=見た目を持たず、中身(データ)だけを渡す係。見た目はAstroが担当。この分業で「文章を直すだけなのにデザインを壊す」事故が起きません。

京佑が管理画面で記事を書く ↓ microCMS が「中身」として保管 ↓ Astro がビルド時に受け取り、HTMLに焼き込む ↓ 完成ページが公開される
あなたの設定でいうと

屋号サイトの microCMS サービスID=browna-ent。News を入力→公開ボタンで、サイトのNews欄に自動反映されます。鍵(APIキー)は焼き込みの時だけ使い、公開HTMLには残らない安全設計(B方式)になっています。

量産での注意(原価)

microCMSの無料枠はサービス1個あたりの制限。客20〜30社を1個には乗せられず、客ごとに用意が要る=LITEの月額1万にこの原価が乗る。スタックを決める段階で効いてくる論点です。

持ち帰り

microCMS=中身を書き換える黒板。見た目(Astro)と中身(microCMS)を分けるから、京佑さん一人で日常更新でき、壊れない。

第5章

Git / GitHub ― 履歴つきの保管庫

2つは別物です。Git=履歴を取る仕組みGitHub=そのデータをネット上に置く保管庫

用語意味ゲームでいうと
commit(コミット)その時点の状態を記録するセーブする
push(プッシュ)セーブをGitHub(保管庫)へ送るクラウドにアップロード
リポジトリ1つのプロジェクトの保管箱1本のセーブデータ

履歴が残るので、「昨日の状態に戻す」が一瞬。前回ブラムリィCafeの大胆版を「ひどい」と即やめて元に戻せたのは、この仕組みのおかげです。

あなたの保管庫

GitHub上に kyorochan09/browna-ent-site kyorochan09/bramley-site が非公開で置かれています。手元で直す→commit→pushで、保管庫が最新になり、次章の「自動公開」が動き出します。

持ち帰り

Git=セーブ&履歴、GitHub=そのクラウド保管庫。いつでも巻き戻せる安心が、思い切った試行を可能にする。

第6章

Cloudflare ― 世界に公開する「店舗」

Cloudflare(クラウドフレア)は、完成したサイトを世界中に配信する場所=店舗です。あなたのサイトはここに置かれ、URLで誰でも見られます。

強みは2つ。速い(世界各地のサーバーから一番近い所が配信)と、静的なら基本無料。だから「ランニング≒ドメイン代だけ」が実現しています。

あなたの店舗

屋号サイトは Cloudflare 上で公開中(仮URL browna-ent-site.ggff33445566.workers.dev)。GitHubの保管庫と連携済みで、保管庫が更新されると店舗も自動で並べ替わります(次章)。

持ち帰り

Cloudflare=サイトを世界に出す店舗。静的サイトなら速くて無料。これが固定費ほぼゼロの正体。

第7章

配管 ― 部品が自動でつながる動線

ここが全章の合流点。バラバラの部品が「ボタンを押すと自動で公開される」一本の管につながっています。あなたが日々使うのはこの動線です。

ルート①:デザイン・構造を直すとき(Claudeに頼む)

手元のコードを直す(Astro) ↓ commit → push GitHub(保管庫)が最新に ↓ 連携で自動起動 Cloudflare が「npm run build」で焼き直す ↓ 世界に公開(数分)

ルート②:中身を直すとき(京佑さん一人で完結)

microCMSで記事を書く → 公開ボタン ↓ Webhook(自動の合図) Cloudflare が焼き直す ↓ 世界に公開(数分)
日常の役割分担

中身の更新(News・写真の差し替え)=京佑さん一人でルート②。 Claudeに頼むのは「デザイン変更・新ページ追加」のルート①だけ。この線引きが、保守を二人で20〜30社回す現実味を作ります。

持ち帰り

配管=「直す→押す→数分で公開」が自動。中身は京佑さん単独、見た目変更だけClaude。これが運用の心臓。

第8章

ドメイン / DNS ― サイトの住所

ドメイン=サイトの覚えやすい住所の名前(browna-entertainment.com)。DNS=その名前を実際のサーバーの場所に変換する「電話帳」です。

人は名前で覚え、機械は番地(サーバーの場所)で動く。DNSがその通訳をして、入力した名前から正しい店舗へ案内します。あなたはCloudflareで住所も電話帳もまとめて管理する方針なので、窓口が1つで済みます。

あなたの住所

確定ドメインは browna-entertainment.com。年間2,000円程度のドメイン代だけが実質の固定費。客のサイトも同じ仕組みで、各社の住所を取って割り当てます。

持ち帰り

ドメイン=住所の名前、DNS=名前を場所に変える電話帳。Cloudflareで一元管理。固定費はほぼこの住所代だけ。

第9章

ターミナル / CLI ― 黒い画面は怖くない

ターミナル(CLI=コマンドで操作する画面)は、ボタンの代わりに命令を文字で打つ作業台です。プロが速く正確に作業するための入口で、難しさより「慣れ」の問題。

あなたが実際に関わる命令はごくわずか。ほとんどはClaudeが代わりに打ちます。意味だけ知っておけば十分です。

命令何をする
git push保管庫(GitHub)へセーブを送る(→自動公開が動く)
npm run buildAstroでサイトを焼き上げる(完成HTMLを作る)
npm run dev公開前に手元でプレビューする
あなたの環境

必要な道具(gh・Node・Astro)はすでに手元に導入済み。つまり厨房はもう使える状態です。怖がらず「Claudeに打ってもらう係」から始めれば十分。

持ち帰り

CLI=命令を打つ作業台。覚えるのは push / build / dev くらいで、実作業はClaudeが代行。慣れだけの世界。

次のステップ

全体像を1周しました(材料 → 静的 → 調理場 → 黒板 → 保管庫 → 店舗 → 配管 → 住所 → 作業台)。これで「自分のサイトのどこで何が起きているか」を言葉で説明できる土台ができています。

ここからの深掘りは、興味の強い章から1つずつで構いません。おすすめの順は──

  • 第3章 Astro(金型)を深掘り:量産事業の核。「1つの金型で着せ替える」を実物で体感する。
  • 第7章 配管を深掘り:実際に1回、手元で直す→公開までを一緒に通してみる(座学から実技への橋)。
  • 第4章 microCMSを深掘り:京佑さんが自分でNewsを1件出してみる。

どの章からでも、もっと噛み砕いて・図を増やして・実物のコードを開きながら、いくらでも掘れます。「ここをもう一度」「この言葉が分からない」も大歓迎です。

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