全体マップ ― あなたのサイトは「料理屋」でできている
技術用語はあとで一つずつ覚えれば十分。まず、全部品の置き場所を1枚の地図にします。あなたのサイトは料理屋に例えると丸ごと理解できます。
| 料理屋でいうと | 技術の名前 | 役割 |
|---|---|---|
| 食材 | HTML / CSS / JavaScript | ページそのものを作る3つの材料 |
| 調理場 | Astro | 食材を組み立てて「出せる料理(ページ)」に仕上げる場所 |
| 日替わりメニューの黒板 | microCMS | 京佑さんが中身(News・記事)を書き換える場所 |
| 冷蔵庫・保管庫 | Git / GitHub | 作ったもの全部を履歴つきで保管する場所 |
| 店舗(客に出す場所) | Cloudflare | 完成したサイトを世界中に配信する場所 |
| 店の住所 | ドメイン / DNS | browna-entertainment.com という名前と、その案内 |
| 厨房の作業台 | ターミナル / CLI | 命令を打ち込む黒い画面(Claudeが代わりに打つ) |
この地図の各マスを、これから1章ずつ見ていきます。順番には意味があります──材料(1)→ 調理場(3)→ 黒板(4)→ 保管庫(5)→ 店舗(6)→ それらが自動で繋がる配管(7)、という流れです。
この料理屋はもう営業しています。屋号サイトとブラムリィHP、2軒が実際に世界に公開済み。つまり全部品はもう手元で動いている。この座学は「新しく建てる」話ではなく、すでに動いている自分の店の中身を知る話です。
Webサイト=「材料・調理場・黒板・保管庫・店舗・住所」の組み合わせ。バラバラの技術用語は、この料理屋の地図のどこかに必ず居場所がある。
HTML・CSS・JavaScript ― ページの材料3つ
どんなWebページも、煎じ詰めればこの3つの材料でできています。役割がきれいに分かれています。
| 材料 | 役割 | 家でいうと |
|---|---|---|
| HTML | 構造・骨組み(見出し/文章/画像/リンクが「ここにある」) | 柱と間取り |
| CSS | 見た目・装飾(色・フォント・余白・配置) | 内装・塗装 |
| JavaScript | 動き・振る舞い(クリックで開く・スクロールで動く) | 電気・自動ドア |
HTMLだけでもページは成立します(味気ない文書)。そこにCSSで世界観を着せ、必要な所だけJavaScriptで動かす。順番もこの通り──骨組みが先、化粧が後、仕掛けは最小限。
ブラムリィの起動アニメ(初回だけ動く演出)=JavaScript。EB Garamond/Zen Old Minchoのフォント指定や緑の色=CSS。「Hero→About→Rooms…」という並び=HTMLの構造。前回「Cafeページの演出がひどい」と感じたのは、ほぼJavaScript(動き)の出しすぎが原因です。
HTML=骨組み、CSS=見た目、JS=動き。迷ったら「骨→化粧→仕掛け」の順。動きは盛るほど壊れやすい。
静的 vs 動的 ― なぜあなたのサイトは安く・速く・壊れにくいのか
Webサイトには2方式あります。この違いが、あなたの事業の「ランニング≒ドメイン代だけ」を生んでいます。
| 静的サイト(あなたの方式) | 動的サイト | |
|---|---|---|
| 作り方 | 完成済みのHTMLを前もって用意し、そのまま見せる | 客が開くたびにサーバーがその場で組み立てる |
| 例えると | 作り置きの弁当を棚に並べる | 注文ごとに厨房で一から作る |
| 速さ | 速い(出すだけ) | 遅くなりがち(毎回調理) |
| 費用 | ほぼ無料(計算しない) | サーバー代が継続でかかる |
| 壊れやすさ・安全 | 壊れにくい・乗っ取られにくい | サーバーやDBが攻撃・故障の的になる |
あなたのサイトは全部静的。だから世界中に配っても費用がほぼ増えず、表示が速く、放っておいても壊れにくい。これは「地方の事業者を保守ごと預かる」事業で致命的に重要です。動的(WordPress等)を受けると、保守が地獄化する——という判断は、この章の理屈そのものです。
「軽い静的の型を貫く」=保守が回る。「重い動的を受ける」=保守が破綻。20〜30社を二人で抱える計画は、全社が静的であることが前提条件です。
あなたは「作り置き弁当(静的)」方式。速い・安い・壊れにくい。これを全客で貫くことが量産と保守の生命線。
Astro ― 部品で組み立てる「金型」の正体
Astro(アストロ)は調理場です。正式には「静的サイトジェネレータ」=材料から完成HTMLを前もって焼き上げる道具。ポイントは2つ。
① 部品化(コンポーネント)
ナビ・フッター・見出しなどを「部品」として1回作り、全ページで使い回す。ナビを直したいとき、部品を1つ直せば全ページに反映される。
ブラムリィ(bramley-site)は Nav.astro Footer.astro など部品に分かれた良い作り。一方、屋号サイト(browna-ent-site)は古い作りで、ナビが6ページにコピーされている=直すのに6回触る。「金型を1つ持って世界観だけ着せ替える」のが、これからの量産の核です。
② 必要な所しか動かさない(軽い)
Astroは基本、余計なJavaScriptを客に送りません。だから速い。動きが要る所だけ足す思想で、第1章の「仕掛けは最小限」と一致します。
Astro=部品を組んでHTMLを焼く調理場。部品化=「金型1つ+着せ替え」。これが量産と保守を両方ラクにする。
microCMS ― 「中身」と「見た目」を分ける
microCMS(マイクロシーエムエス・日本製)は日替わりメニューの黒板。京佑さんがブラウザの管理画面から、コードを触らずに中身(News・記事)を書き換えられる場所です。
「ヘッドレスCMS」と呼ばれます。ヘッド=見た目を持たず、中身(データ)だけを渡す係。見た目はAstroが担当。この分業で「文章を直すだけなのにデザインを壊す」事故が起きません。
屋号サイトの microCMS サービスID=browna-ent。News を入力→公開ボタンで、サイトのNews欄に自動反映されます。鍵(APIキー)は焼き込みの時だけ使い、公開HTMLには残らない安全設計(B方式)になっています。
microCMSの無料枠はサービス1個あたりの制限。客20〜30社を1個には乗せられず、客ごとに用意が要る=LITEの月額1万にこの原価が乗る。スタックを決める段階で効いてくる論点です。
microCMS=中身を書き換える黒板。見た目(Astro)と中身(microCMS)を分けるから、京佑さん一人で日常更新でき、壊れない。
Git / GitHub ― 履歴つきの保管庫
2つは別物です。Git=履歴を取る仕組み、GitHub=そのデータをネット上に置く保管庫。
| 用語 | 意味 | ゲームでいうと |
|---|---|---|
| commit(コミット) | その時点の状態を記録する | セーブする |
| push(プッシュ) | セーブをGitHub(保管庫)へ送る | クラウドにアップロード |
| リポジトリ | 1つのプロジェクトの保管箱 | 1本のセーブデータ |
履歴が残るので、「昨日の状態に戻す」が一瞬。前回ブラムリィCafeの大胆版を「ひどい」と即やめて元に戻せたのは、この仕組みのおかげです。
GitHub上に kyorochan09/browna-ent-site kyorochan09/bramley-site が非公開で置かれています。手元で直す→commit→pushで、保管庫が最新になり、次章の「自動公開」が動き出します。
Git=セーブ&履歴、GitHub=そのクラウド保管庫。いつでも巻き戻せる安心が、思い切った試行を可能にする。
Cloudflare ― 世界に公開する「店舗」
Cloudflare(クラウドフレア)は、完成したサイトを世界中に配信する場所=店舗です。あなたのサイトはここに置かれ、URLで誰でも見られます。
強みは2つ。速い(世界各地のサーバーから一番近い所が配信)と、静的なら基本無料。だから「ランニング≒ドメイン代だけ」が実現しています。
屋号サイトは Cloudflare 上で公開中(仮URL browna-ent-site.ggff33445566.workers.dev)。GitHubの保管庫と連携済みで、保管庫が更新されると店舗も自動で並べ替わります(次章)。
Cloudflare=サイトを世界に出す店舗。静的サイトなら速くて無料。これが固定費ほぼゼロの正体。
配管 ― 部品が自動でつながる動線
ここが全章の合流点。バラバラの部品が「ボタンを押すと自動で公開される」一本の管につながっています。あなたが日々使うのはこの動線です。
ルート①:デザイン・構造を直すとき(Claudeに頼む)
ルート②:中身を直すとき(京佑さん一人で完結)
中身の更新(News・写真の差し替え)=京佑さん一人でルート②。 Claudeに頼むのは「デザイン変更・新ページ追加」のルート①だけ。この線引きが、保守を二人で20〜30社回す現実味を作ります。
配管=「直す→押す→数分で公開」が自動。中身は京佑さん単独、見た目変更だけClaude。これが運用の心臓。
ドメイン / DNS ― サイトの住所
ドメイン=サイトの覚えやすい住所の名前(browna-entertainment.com)。DNS=その名前を実際のサーバーの場所に変換する「電話帳」です。
人は名前で覚え、機械は番地(サーバーの場所)で動く。DNSがその通訳をして、入力した名前から正しい店舗へ案内します。あなたはCloudflareで住所も電話帳もまとめて管理する方針なので、窓口が1つで済みます。
確定ドメインは browna-entertainment.com。年間2,000円程度のドメイン代だけが実質の固定費。客のサイトも同じ仕組みで、各社の住所を取って割り当てます。
ドメイン=住所の名前、DNS=名前を場所に変える電話帳。Cloudflareで一元管理。固定費はほぼこの住所代だけ。
ターミナル / CLI ― 黒い画面は怖くない
ターミナル(CLI=コマンドで操作する画面)は、ボタンの代わりに命令を文字で打つ作業台です。プロが速く正確に作業するための入口で、難しさより「慣れ」の問題。
あなたが実際に関わる命令はごくわずか。ほとんどはClaudeが代わりに打ちます。意味だけ知っておけば十分です。
| 命令 | 何をする |
|---|---|
git push | 保管庫(GitHub)へセーブを送る(→自動公開が動く) |
npm run build | Astroでサイトを焼き上げる(完成HTMLを作る) |
npm run dev | 公開前に手元でプレビューする |
必要な道具(gh・Node・Astro)はすでに手元に導入済み。つまり厨房はもう使える状態です。怖がらず「Claudeに打ってもらう係」から始めれば十分。
CLI=命令を打つ作業台。覚えるのは push / build / dev くらいで、実作業はClaudeが代行。慣れだけの世界。
次のステップ
全体像を1周しました(材料 → 静的 → 調理場 → 黒板 → 保管庫 → 店舗 → 配管 → 住所 → 作業台)。これで「自分のサイトのどこで何が起きているか」を言葉で説明できる土台ができています。
ここからの深掘りは、興味の強い章から1つずつで構いません。おすすめの順は──
- 第3章 Astro(金型)を深掘り:量産事業の核。「1つの金型で着せ替える」を実物で体感する。
- 第7章 配管を深掘り:実際に1回、手元で直す→公開までを一緒に通してみる(座学から実技への橋)。
- 第4章 microCMSを深掘り:京佑さんが自分でNewsを1件出してみる。
どの章からでも、もっと噛み砕いて・図を増やして・実物のコードを開きながら、いくらでも掘れます。「ここをもう一度」「この言葉が分からない」も大歓迎です。
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